スマホで花を撮影。デジカメのテクを利用しよう
デジカメの撮影テクニックをスマホでの花の撮影に利用しよう
特選街2017年12月号は、「写真が変わる!うまくなる! デジカメ撮影神テク大全」がメインテーマで、様々なデジカメテクニックを紹介しています。基本的にはデジカメのテクニックですが、スマホでも利用できるテクニックが沢山ありました。
花を撮影するために役立つテクニックをまとめてみました。
風景撮影テクから
画面の縦位置横位置を吟味してみよう
横長の画面は広がりや安定感が生まれます。広大なお花畑などは絶対に横位置ですね。また、縦位置では高さや奥行き感が生まれます。高い木の上のやしの実とか、道路沿いの花壇などは道の奥行きとともに撮影すると良いでしょう。
曇天や雨の日は空を撮さない
晴天の時は花と空の明暗差が大きくないので不自然にはなりにくく、むしろ見栄えを良くするので、積極的に青空を利用しましょう。でも曇天時の白い空は露出オーバーに成るので、花が暗く写ってしまいます。その場合は、悪さをする魅力のない空が写真に入らないようにカメラ位置やアングルを変えましょう。
曇天時は夕暮れの電灯の撮影もムードがでそう
暗くなったときに撮影する場合、カメラの性質上撮影画面が明るくなってしまいます。この場合は、露出を下げる必要があります。街灯に照らされた花は、いつもと違う幻想的な花に撮れるかもしれません。色々とトライしてみてください。
晴れた日は、木漏れ日を利用しよう
花の背景を木々の木漏れ日にすると、キラキラ感が出て素敵です。でもここでも露出が重要になります。木漏れ日とは言えかなり強い太陽光です。なので、カメラは撮影画面を暗くしてしまいます。つまり、花が暗くなってしまいます。露出をプラスに修正して撮影しましょう。なお、花と後ろの木々の距離があればあるほど、キラキラのボケ具合がきれいになります。
人物撮影テクから
木漏れ日と地面からの反射光を利用する
綺麗な花なのに、影が残念!
人物撮影では顔に当たる光をとても大切にします。トップライトに加え、手前したからレフ板を利用して綺麗な光加減を作ります。光も強い光ではなく、回り込んできた反射光が好まれます。鼻の影がしっかり写ると、残念ですよね。
花も同様。様々な方向から光が当たる花を探して撮影しましょう。何処にどんな光が来ているのか、自分の手をその場所にかざして光の当たり方を見ると分かりやすいです。カメラの影が写るのはとても残念ですね。
ポートレートモードの利用
スマホにもポートレートモードがあります。これを使うとどうなるか?実験してみました。
通常の撮影モードで、できるだけ花に近づき後ろをぼかしました。
ポートレートモードで撮影しました。
後ろののボケがとても綺麗です。できればこのモードを使用したいのですが、iPhoneではまだ不十分でした。よく見るとなんだか不自然なところがありますよね。
別のポートレートモードの写真をご覧ください。
なんと、花が途切れています。
これも後ろのボケはいいのですが、手前の処理がとても不自然です。
これは通常の撮影で、花に近づき後ろをぼかしました。
これらを見ると、ポートレートモードはどこかに不自然さが出る可能性が大きい!との認識のもとに使う必要がありますね。できれば、ポートレートモードと通常の近づいて撮影の2つを押さえれば完璧ですね。
フォーカスエリアを小さくして撮影
小さな花を撮影する場合、後ろの葉にピントが合うことが多々あります。そんなときには、フォーカスエリアを小さくしましょう。スマホでは、ズームして花を画面に大きく映してフォーカスロックをかけます。その後、ズームを戻して良い画角にして撮影しましょう。ピントはちゃんと花にあっています。
19秒の動画です。
茎も入れた花撮影ではカメラ位置を下に
高いところにカメラを構えると、頭でっかち尻窄みになります。花の横にカメラを構えれば、茎が綺麗に写ります。茎と横顔の綺麗な花の場合に有効です。
マクロ撮影テクより
ボケの効果と同時に、ボケの質を考えよう
バックをぼかして花にピントを合わせて撮影するととても綺麗に仕上がります。できるだけボケ効果を使いましょう。そして、ボケ効果だけでなく、ボケの質も考えましょう。つまり、周囲の色と光の変化をしっかりと考えましょう。被写体を目立たせるために、同系色や同濃度のバックは避けましょう。また、光は花の形が際立つ明るさを選びましょう。木漏れ日や反射光などが入ると素敵です。また、雨上がりの水滴などの反射も効果的ですね。
この写真は、バックが同系色にななってしまいましたが、キラキラ感が綺麗で、雨の日でしたが、全体的にハイキーな明るい写真に仕上がりました。
置きピンで撮影してみよう
スマホではフォーカスロックが可能です。なので、一旦ロックを掛けたうえで、カメラを花から近づけたり、遠ざけたりして、ピントが合ったタイミングで撮影してみましょう。
スマホは、画面でピントがあっているかどうかが目視できるのでこの撮影手法は結構使えます。この撮影手法を置きピンとよく言われています。花弁よりも雄しべにピントを合わせたい!などが出来るようになりますね。この時、最短撮影距離にピントが合うようにセットすると、後ろのボケもいい感じに成ることが期待できますね。
31秒の動画です。
スナップ撮影テクから
露出を変えて撮影しよう
露出はカメラが勝手に設定するもので、適正露出ではありません。なので、明るくしたり暗くしたりして、調整をしましょう。このテクニックはスナップだけでなくあらゆる場面で使う技ですね。作成意図によっては、思いっきり明るくしたり、暗くしたりして、何かを訴えることもありです。
グリッドラインを活用しよう
グリッドラインがあると、水平や構図がより分かりやすくなります。iPhoneでのグリッド設定は、設定からカメラ、グリッドONで設定できます。
35秒動画です。
動体撮影テクから
カメラを地面近くに置き、超ローアングルからの撮影ができます。iPhoneとApple watchでApple Watchから画像を見て撮影出来るのです。
これを使うと、スマホを花の下に置いて、後はApple Watchで画面を見てピント位置を設定して、撮影できます。この時、現在の使用では露出補正まではできないです。でも、花が大空を見て、太陽を見ている元気な姿を捉えることができます。
1分2秒動画です。
iPhoneとApple Watchで撮影。
スマホ撮影テクから
4K動画を利用して適切なタイミングを切り取る
風が吹いている屋外の花を撮影する場合、息を殺し、風が止むまでじっと待つ、が中々止まらない。と言う経験をする方は多いのではないでしょうか。そんな時は、風に揺らぐ花を4K動画で撮りましょう。そして、動画再生をしながら、ここぞと言う場面で動画を停止し、スクリーンショットを行えば良いのです。4Kなので、829万画素で撮影されています。スクリーンショットでは207万画素になりますが、それでも十分な画質になります。是非試してみて下さい。
44秒動画です。
イアホンをレリーズに使いましょう
イアホンは音声調節ボタンが写真撮影時はシャッターになります。スマホに触れてシャッターを押すと、どうしてもカメラがブレます。明るい日差しの元ではシャッター速度が速いので、指が触れてカメラが動く影響はほとんどありません。しかし、暗い場所でシャッター速度が遅くなるときは、カメラに触れずにシャッターを切りたいですね。そのとき、イアホンをレリーズに使いましょう。音声制御のスイッチを押すとシャッターが切れるのです。ぜひ使ってみてください。もしイアホンがなければ、タイマーで撮影することも有効ですね。
(文責:大久保 優)